勝てるパターンはない


2020/09/10 セオリー 

勝てるパターンはない

相場にセオリーを求める気持ちは分かる。痛いほど共感する。なぜなら、私自身も10年以上パターンを探し回った一人だからだ。書籍を読みつくし、高額商品を買い続け、自作プログラムを組んではバックテストをしまくった。

その結果、毎年安定して勝ち続けるトレード方法は一つもなかった。例えば、最初に覚えたゴールデンクロス。ある時期は勝ち続けることができる。それも、3年以上安定してお金を稼げる。しかし、次の3年間はボロ負け。結局、全ての手法がこんな状態なのである。

ラクして勝ちたいだけ

なぜ、パターンを探していたのか。考えてみるとラクして勝ちたいだけだったのかもしれない。変化するマーケットに合わせて、頭でアレコレ考えるのが面倒くさいから手っ取り早く稼げる確実な方法を探し求めていたように思う。この『確実』って言葉がポイントだ。どんな努力でもする覚悟はあったが、きっと『聖杯』を探し回っていただけなのだろう。

セオリーを学べば勝てる!?

初心者はまず書籍やインターネットからセオリーを学ぶと思う。だが、トレードの場合ココに罠がある。セオリーを覚えれば勝てると思い込んでしまうのだ。絶対に忘れてならないのはトレードに聖杯はないということだ。言い方を変えると対人ゲームに聖杯はないのである。ジャンケンに必勝法はあるだろうか。

勝てるトレーダーはトップ2%

トレードの世界は魑魅魍魎である。世界中のエリート達が切磋琢磨しているキビシイ世界だ。

例えば、大学受験や資格試験ならレベルの高い人がいてもさっさと合格して一年で消える。スポーツ選手の場合でも大抵の競技では選手生命が短いため10年から20年もすれば引退して消える。全盛期は数年しかない。

しかし、相場の世界では、凄腕トレーダーが何十年も居座り続け、それに伴いレベルも上げ続けている。そして、我々は彼らと戦って勝たなければならないのだ。セオリーを覚えても良いところ平均レベルに毛が生えた程度である。勝てるわけがない。

自分の頭で考える

では、どうすればいいのか。それは、物事の本質を考えるしかない。

物事の本質を考える

例えば、ブレイク一つとっても考えることはたくさんある。「ブレイクしたから買おう」というパターン思考ではなく、このブレイクはなぜ起きたのか、誰が上げているのか、どこまで上げるつもりなのか、など物事の裏側を銘柄ごとに考えるのだ。

面倒くさい・・・

仮に、この作業を面倒くさいと考えるならトレーダーに向いていない。

例えば、サッカー選手を目指している人がパスの練習が面倒くさい、ドリブルを考えるの面倒くさいと愚痴っていたらどうだろうか。向いているわけがない。決してトップクラスの日本代表までは辿り着けないだろう。つまり、そういうことである。

パターンやセオリーではなく、一日中トレードの裏側、物事の本質を考え続けられる人がトレーダーとして生き残るのである。

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