チャートは面白い


2020/09/07 チャート 

チャートは対戦ゲーム

チャートはサイコロのようにランダムで決まるわけではない。大衆の意思で動く。上昇すれば買いたい人の方が多かったというシンプルな構造である。

だから、相場が大きく動いたときなど、背景に存在する人々の意思を想像すると繋がりを感じる。何というか、共通の趣味を持った仲間と対戦ゲームでもしているかのような感覚である。

「あー、そうきたか。なるほどね」などと独り言を発するほど没頭してしまう。ちなみに、日足チャートでは、この感覚を感じない。1分足や5分足だと繋がりを強く意識できる。だから、私は1分足チャートでのトレードが好きだ。

同じ土俵で戦う楽しさ

私が1分足を好む理由として、テクニカル要素のみで勝負できる部分も重要だ。日足チャートの場合、特に企業の株価などはファンダメンタルズ要素の影響も大きくなる。それでは、群集心理がバラバラになってしまい共通ゲームで対戦している意識も弱まってしまう。

例えば、ビリヤードで9番を入れたい人と、出来るだけ多くのボールを入れたい人が対戦をしてもお互い面白くないだろう。それと同じでファンダメンタルズ派のトレーダーと遊んでいてもつまらない。それに引き換え、1分足チャートは、お互いがローソク足だけを使って知恵比べしている感覚で好きだ。

最強のスキル

チャート読みは最強のスキルだと思う。仮にファンダメンタルズで利益を出しているトレーダーがいても、一寸先は闇ではなかろうか。求められるビジネスは時代により変化するため、その先見性を維持できる保証はない。また、AI導入により脳みそレベルでのデータ分析に価値はなくなってしまった。

それに対して、人々の心理を読んで利益を生み出しているトレーダーはどうだろうか?AIは人間の感情を読むのが苦手だ。にも拘らず、人の感情は普遍的である。チャートの値動きによって自然と現れる恐怖や欲は人間であるうちは変えることができないだろう。

AIは本当に解析できないのか?

もしかしたら、AIが人間の全ての感情を解析してしまう日がくるのかもしれない。しかし、それでも大衆心理を読んで利益を出し続けるシステムを作るのは不可能だと感じる。なぜなら、長いローソク足一本、ヒゲ一本をチャートの一部に追加しただけで感情が180度反転するのが人間だからだ。AIの本質はデータ分析であるが、無限に近いチャートパターンと複雑な人間構造を解析できるほどのデータはまだ存在していない。

トレーダーの夢

人々の感情は半永久的に変わらない。ここから導き出せるのは、大衆心理を読んで利益を生み出せるトレーダーの未来は約束されている、ということではないだろうか。つまり、チャートは知的好奇心を満たす最高の対戦ゲームである。そして、このゲームの勝者はチート状態に勝ち続けることができる。これが私の持論であり、チャートが面白いと感じる理由である。

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